映画「花束みたいな恋をした」の内容記述あり
花束みたいな恋をしたとは
独特な雰囲気と高い演技力で人気の"菅田将暉"と国民的女優の"有村架純"が織りなすラヴコメ映画「花束みたいな恋をした」。第45回日本アカデミー賞では"菅田将暉"の優秀主演男優賞、"有村架純"の最優秀女優賞、当作品で音楽を担当した"大友良英"の優秀音楽賞という合計3部門の受賞を成し遂げた。「花束みたいな恋をした」は豪華なキャスティングと共感を呼ぶリアルな恋愛模様を描いた脚本などによって興行収入は30億円越えのヒット作となっている。
Question | Anser |
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公開日 | 2021年1月29日 |
主演 | 菅田将暉 有村架純 |
監督 | 土井裕泰 |
ジャンル | ラヴコメ |
興行収入 | 約35億円 |
監督は有村架純主演作「映画 ビリギャル」の土井裕泰、脚本には「東京ラブストーリー」「カルテット」などのヒットドラマを手がけた坂元裕二が鎮座しており、盤石の布陣で制作された映画である。特に脚本は坂元裕二のオリジナルで映画公開に合わせてノベライズ化されたことも話題に挙がった。
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花束みたいな恋をしたのあらすじ
物語の大部分はナレーション形式で進んでいるため、純粋な映画というより小説を映像化した作品というイメージが近い。リアルでありながらどこか現実離れしたロマンチックな展開が評判を呼び『こんな恋が理想』という口コミも多く見られた。
花束みたいな恋をしたとはどういった作品なのか、あらすじを解説していく。
音楽って
2020年、東京のとある喫茶店でカップルの2人がイヤホンを片耳づつ付け音楽を聴いていた。その様子を少し離れた席で見ていた"ある男"が『あの2人音楽好きじゃないな』と連れの女に語る。"男"は『音楽ってモノラルじゃないんだ、ステレオなんだよ。イヤホンで聴いたらLとRで鳴っている音は違う、片方づつ聴いたらそれはもう別の曲なんだよ』と続ける。"その男"と同様に離れた席でカップルの様子を見ていた"女"が『同じ曲を聴いているつもりだけど違うの。彼女と彼は今違う音楽を聴いているの』と連れの男に熱弁する。まるで誰かの受け売りのように離れた場所でピッタリと同じ言葉を口にする"男"と"女"は次第にボルテージが上がり、同時に席を立ちカップルの元に向かおうとする。そこで初めて"男"と"女"は互いの存在に気づき、目が合うと何やら気まずそうにして席に戻ったのだった。
"男"と"女"の出会い
2015年、21歳女子大生の"八谷絹(有村架純)"は東京国立美術館で行われるミイラ展を密かに楽しみにしていた。"絹"は趣味であるラーメン屋の新店舗開拓をした後、表参道でお笑い芸人天竺鼠のワンマンライブまでの時間を潰していた。すると前に一度だけデートをした"富小路くん"に出くわす。暇潰しのつもりで一緒に焼肉屋に行くが気がつくと終電前に。電車の時間に間に合わずインターネットカフェで一夜を過ごしながら、天竺鼠のお笑いライブに行かなかったことを後悔した。しかしそんな時、"絹"にはいつも思い出すことがあった。『2014年サッカーW杯準決勝、開催国ブラジルがドイツに7点入れられて負けた。あの時のブラジル国民全員あげての阿鼻叫喚、あれよりは全然マシ』と独自の処世術で自身を励まし、ミイラ展のことだけを考えていた。
21歳大学生の"山音麦(菅田将暉)"はジャンケンというゲームにこの世の不条理性が現れていることを感じていた。"麦"はGoogleストリートビューに偶然自分が写っていたことに歓喜し、大学内で"沖田くん"に自慢した。好意を抱いていた"卯内さん"にも自慢した。"麦"はGoogleストリートビューに写っていたことに一時は興奮したものの『今後の人生でこんなに興奮することはもうないんだろうな』と退屈していた。楽しみにしていた天竺鼠のお笑いライブをすっかりと忘れ、行けばよかったと後悔した。
ある日"絹"と"麦"は人数合わせで呼ばれていた別々のコンパに行くと終電を逃してしまう。そこで2人は出会うのだった。2人とも終電を逃したため何かの縁により朝までお店を転々とし、互いの好きなものが共通していることに気づく。今までに出会ってきた人の中で最も感性が近く、刺激し合えると感じた2人は自然と惹かれ合うのだった。
幸せな時間
付き合うことになった"絹"と"麦"はまさに幸せの絶頂にいた。大学をサボり"麦"の家で何度もセックスをし、一緒にご飯を食べ、海に行きフィルムカメラで写真を撮り合う。そんな幸せな時間が続いていた時"麦"は初めて"絹"の涙を目にするのだった。"絹"は就活生として様々な面接を受けていたが、ある日圧迫面接を受けてしまい泣いてしまった。家に帰れば両親に就職することを強制され、企業に面接を受けに行くとこれまでの人生や人間性を否定される。"麦"はそんな事実が平然とまかり通っている日本のシステムに憤慨し"絹"に『一緒に住もうよ』と提案する。多摩川が見えるアパートに引っ越し同棲生活を始めた"絹"と"麦"。2人は大学を卒業し"絹"はバイトをしながら就活を進め、"麦"はかねてからの夢だったイラストレーターになるために絵を描きながら生計を立てていた。そんな中"絹"の両親に会い就職を促されたこと、父親に仕送りを止められたことなどによって現実を理解し"麦"も就職することを決意した。"絹"は先にクリニックの受付・事務業の内定を貰うが"麦"の就活は続いた。難航はしたものの"麦"はネット通販専門物流会社に就職することができた。これからも幸せが続くと信じている"麦"は『僕の人生の目標は絹ちゃんとの現状維持です』と"絹"に言う。
すれ違い
就職が決まったはいいが"麦"は仕事で忙しくなってしまい"絹"との時間が満足に取れなくなってしまう。家の中では会話が減り、些細なことから喧嘩をすることが増えた。そんな2人にさらに亀裂を生む事態が発生する。"絹"は"麦"に『好きなことを活かせる』と言いイベント会社に転職する旨を伝えた。苦労して入社した会社を簡単に辞めることが無責任だと感じた"麦"は『好きなことを活かせるってそういうの人生舐めてるって考えちゃう』と"絹"の姿勢を批判する。互いの生き方に差が出てきて2人の間にすれ違いが生じる。お互いのことがわからなくなり、関係は修復不可能な段階にまできていた。
花束みたいな恋をした
2019年、共通の知人の結婚式に呼ばれ出席した"絹"と"麦"は別れを決意していた。結婚式が終わり、付き合いたての頃によく来ていたファミレスに足を運んだ"絹"と"麦"。別れ話を切り出そうとする"麦"だったが"絹"との思い出を振り返っていると、徐々に気持ちが移り変わっていく。別れを決意していたはずの"麦"だったが"絹"に『俺別れたくない、別れなくてもいいと思う。結婚しよう』と口にする。家族になれば気持ちが変わってもいずれは良い夫婦になれると熱弁する"麦"に押され『そうだね、結婚すれば』と"絹"の気持ちも変化し始める。すると2人の近くに若いカップルが座った。かつての自分達と同じようにお互いの共通点に一喜一憂するカップルを見て"絹"と"麦"はもう自分達の恋愛が終わったことを悟り、2人は別れた。
2020年、東京のとある喫茶店で再会した"男"と"女"は一言も喋らず店を後にするが、帰り際に2人とも背中越しで手を振るのだった。