映画「TOP GUN:MAVERICK(トップガン・マーヴェリック)」の内容記述あり
TOP GUN: MAVERICK(トップガン マーヴェリック)とは
「TOP GUN: MAVERICK(トップガン マーヴェリック)」とは、2022年に公開されたアメリカ合衆国の映画である。1986年公開の前作「TOP GUN(トップガン)」の正式な続編で映画の大部分はいわゆる戦闘機アクションで構成されており、ストーリーの単純明快さやアクションのクオリティの高さなどから日本では公開開始から10日間で興行収入28.8億円のヒットを記録している。
Question | Anser |
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公開日 | 2022年5月27日(日米同時公開) |
監督 | Joseph Kosinski (ジョセフ・コシンスキー) |
主演俳優 | Tom Cruise(トム・クルーズ) |
配給会社 | 米国:Paramount Pictures Corporation(パラマウント・ピクチャーズ) 日本:東和ピクチャーズ |
ジャンル | アクション アドベンチャー |
興行収入(2022年9月現在) | 世界:14.54億米ドル(約2006億円超) 日本:123億円 |
近年公開された洋画の中では異例の人気ぶりであることから、現在日本では空前のトップガンブームが訪れていると言っても過言ではないだろう。
U-NEXTとHuluではTOP GUN:MAVERICK(トップガン・マーヴェリック)が鑑賞できる
TOP GUN: MAVERICK(トップガン マーヴェリック)のあらすじ
「トップガン マーヴェリック」が評価されている理由の一つとして単純明快なストーリーが挙げられる。物語内に伏線や理解しづらい描写などがまったく存在せず観るものを選ばない映画であることから、老若男女問わず作品の感想を共有できることが高評価を受ける非常に大きい要因なのだ。
なお前作「TOP GUN」の内容を含む紹介をしていくので、内容が理解できない方はあらかじめ視聴しておくことをオススメする。
それでは「トップガン マーヴェリック」のあらすじを紹介していく。
エリートパイロット訓練校"TOP GUN(トップガン)"
1969年3月3日、米海軍はトップ1%のエリートパイロット育成のためにある学校を設立した。目的は失われつつあった空中戦の技術訓練。その世界最高のパイロット訓練校の名こそが"TOP GUN(トップガン)"である。トム・クルーズ演じる主人公ピート・ミッチェル大佐(コールサイン:"マーヴェリック")はかつてこのトップガンを2位という成績で卒業し、本来なら海軍少将という役職を得られてもおかしくないほどの戦功を挙げた伝説のパイロットである。しかし度重なる命令・規律違反や本人の意向などにより"マーヴェリック"の役職は海軍大佐に収まっている。
人類最速の男
伝説のパイロット"マーヴェリック"はカリフォルニアの砂漠で最新戦闘機"ダークスター"のテスト飛行を行なっていた。"ダークスター"で最高速度マッハ10を出すためのプログラムに"マーヴェリック"は尽力していたがチェスター・ケイン(コールサイン:"ハンマー")海軍少将からプログラム打ち切りの命令が届いた。"マーヴェリック"はその命令を無視し、マッハ10を出して上層部を黙らせることを決意した。プロジェクトメンバーのバーニー・コールマン(コールサイン:"ホンドー")は『目標はマッハ10だ。10.1でも10.2でもない。』と"マーヴェリック"に伝える。プログラム成功の最後のチャンスをかけて"マーヴェリック"はカリフォルニアの空を飛んだ。マッハ9.8、9.9と速度が上がりついにマッハ10に到達し、プログラムは大成功したと思われたが"マーヴェリック"は"ホンドー"の忠告を無視しマッハ10を超える速度を出し、戦闘機のさらなる可能性に挑戦した。しかしマッハ10.4を超えたあたりで速度に耐えきれなくなった機体は間も無く空で離散した。
TOP GUN(トップガン)の教官に
ギリギリで"ダークスター"から脱出をしていた"マーヴェリック"はマッハ10プロジェクトでの命令違反の責任を問われ"トップガン"があるノースアイランドに左遷された。トップガンにはかつての卒業生であるボー・シンプソン(コールサイン:"サイクロン")海軍中将とソロモン・ベイツ(コールサイン:"ウォーロック")海軍少将が待っていた。"サイクロン"は"マーヴェリック"に処罰の代わりにミッションを与える。とある国で違法に製造されたウラン濃縮プラントを戦闘機で爆撃し壊滅させるというミッションである。敵は"第五世代戦闘機"でトップガンはレーダーを避けるため旧型戦闘機の"F-18"。空中戦であればほぼ勝ち目はない。このミッションは伝説のパイロット"マーヴェリック"に『帰らぬものが出る』と言わせるほど難易度が高いものだった。"マーヴェリック"は編成隊には同行せず、トップガン卒業生たちを訓練し、ミッション成功のためにパイロットを選抜する"教官"としての役割を与えられた。本来ならば飛行禁止令が出されてもおかしくなかったが、この処遇は"マーヴェリック"の盟友であるトム・カザンスキー(コールサイン:"アイスマン")海軍艦隊司令官の強い要望によるものだった。"マーヴェリック"は編成隊候補の中にかつての相棒で訓練中に事故死したニック・ブラッドショウ(コールサイン:"グース")海軍中尉の息子の名が挙がっていることに気づいた。
ミッションの概要
・険しい峡谷にあるNATO条約に違反したウラン濃縮プラントの爆撃
・リストアップされたトップガン卒業生の中からピート・"マーヴェリック"・ミッチェル海軍大佐が教官として選抜した編成隊で臨む
・訓練期間は3週間
"グース"の息子"ルースター"
ノースアイランドにあるバーにはミッションの編成隊候補であるパイロットたちが集まっていた。腕は確かだがビックマウスで常に皮肉まじりの言葉を吐く"ハングマン"、唯一の女性で芯が強い"フェニックス"、陽気で気の良い"ペイバック"、"フェニックス"の補佐役でサポートに優れた"ボブ"。そのほかにも多くのトップガン卒業生たちがそのバーで談笑していた。"マーヴェリック"は偶然バーに来ていたが、そこで意外な人物と再会を果たす。バーのオーナーで元カノのペニー・ベンジャミンである。"マーヴェリック"とペニーは約3年ぶりの再会に驚きつつも昔話に花を咲かせた。そこに編成隊候補の一人で相棒"グース"の息子である"ルースター"が来店してきた。"マーヴェリック"は"ルースター"に気づかれないように店を出て帰ろうとしたが、聞き覚えのある歌が"マーヴェリック"の耳に届いた。"グース"が生前よく歌っていた"Jerry Lee Lewis(ジェリー・リー・ルイス)"の「Great Balls of Fire」 である。慌てて店の外からバーを覗き込むと"ルースター"が父である"グース"のようにその歌を熱唱していた。かつての相棒に姿を重ねた"マーヴェリック"は何かを考え込むようにその場を後にした。
訓練開始
ミッション成功のために訓練を開始した"マーヴェリック"。まずはパイロットたちの力量を測るためにドッグ・ファイト(空中戦)が行われた。1対2という"マーヴェリック"圧倒的不利な状況だったが難なく勝負を制す。"ルースター"は"マーヴェリック"に対し異常な対抗心を燃やし無茶な勝負を挑んだ。その様子に違和感を覚えた"ハングマン"は"ルースター"が"マーヴェリック"の親友であり訓練中に事故死した"グース"の息子であることを知る。"ハングマン"はその事実を"ルースター"と他のパイロットたちの前でに嫌みたらしく話す。"ルースター"は激怒し"ハングマン"に掴みかかろうとするが"マーヴェリック"や他のパイロットたちに止められ事なきを得た。トップガンの士気の低下や"ルースター"との確執を改めて感じた"マーヴェリック"は自分が何をすべきかを完全に見失ってしまった。
"マーヴェリック"が考案したミッションフロー
0."F-18"の4機(2対になり密集陣形をとる)で出撃
Ⅰ.目標到達時間は2分30秒のため速度は660ノット以上
Ⅱ.2機が峡谷沿いを低空で目標を目指す
Ⅲ.四方にSAM(地対空誘導ミサイル)があり空を狙っているため対地高度は100フィート
Ⅳ.敵滑走路には"第五世代機"が配備されているので、敵と遭遇する前に爆撃し離脱する
Ⅴ.第1編隊の複座機が目標をレーダー照射し爆弾を投下(敵のプラントが露出する)
Ⅵ.第2編隊もⅤを行い致命弾を放つ(目標を破壊する)
Ⅶ.離脱は山を避けながら"ハイクライム"(高重力急上昇)する(この時の負荷は最低9G)
Ⅷ."ハイクライム"後SAMの包囲網を逃げ切り、空母に帰還
盟友"アイスマン"との再会
悩む"マーヴェリック"に盟友"アイスマン"から会いたいというメッセージが届いた。"マーヴェエリック"に再会した"アイスマン"は任務についての話を聞く。"マーヴェリック"はその問いかけに答えようとしなかったが、次第に本音を吐露し始める。"グース"のようにならないために海軍兵学校の志願書を破棄したことで今も"ルースター"に恨まれている、"ルースター"にこの任務は無理だということ、自分に教官はできないということなどを"アイスマン"に伝えた。すると"アイスマン"は『過去のこと(グースのこと、志願書を破棄したこと)は水に流せ』『海軍には"マーヴェリック"が必要だ、あの若者("ルースター")にも"マーヴェリック"は必要だ』と"マーヴェリック"に伝える。これまでのこと、そして現在のこと全てに感謝をしながら"マーヴェリック"は"アイスマン"と熱い抱擁を交わした。そしてトップガンの結束を高めるために訓練を一時中断し、編成隊候補全員をビーチに集めアメフトを行う。上官の"サイクロン"は"マーヴェリック"を咎めに行くが、トップガンの結束が強固になった光景を目にすると何も言わずその場を立ち去ったのだった。
"アイスマン"の死
ウラン濃縮プラントの稼働が早まったことで充分でないまま訓練期間が短縮された。ただでさえ2分30秒という短い時間制限、危険な低高度での飛行、プラントへの正確な爆撃、パイロットたちを襲うハイG、敵のSAM(地対空誘導ミサイル)などといった様々な無理難題がパイロットたちを悩ませていたため、さらにミッション成功が暗礁に乗り上げる。その状況の中で行われたハイG訓練では高度に耐え切れなかった"ペイバック"の意識が飛び、操縦不能に陥る事態が起こってしまった。幸いすぐに意識を取り戻し墜落は免れたが、今度は"フェニックス・ボブ"の戦闘機がバードストライクに遭いまたもや墜落の危機に。2人は緊急脱出をしたため無事だったが、トップガンの中にミッションは不可能だという認識が生まれつつあった。その一件が重なり苛立っていた"ルースター"は"マーヴェリック"に『なぜ志願書を破棄したんだ』と問いつめる。"マーヴェリック"は『君が未熟だからだ』『君は教範に縛られすぎだ、考えるな 行動しろ』 と答える。2人が言い争っていると追い打ちをかけるように"マーヴェリック"の元に"アイスマン"の訃報の知らせが届く。30年来の盟友の死に深く落ち込む"マーヴェリック"にミッション責任者の"サイクロン"は教官剥奪と飛行禁止令を言い渡した。『ミッションは可能だということを教えなければならない』と"マーヴェリック"は言うが"アイスマン"が亡くなってしまっことで今まで保てていた立場も追われてしまったのだった。
伝説のパイロット"マーヴェリック"
"マーヴェリック"はペニーに会い、教官の立場を剥奪されたこと、飛行禁止令を出されたことそして除隊するということを伝えた。するとペニーは『あなたは僚機を失っても戦い続ける人よ』『育てたパイロットに何かあったらあなたは自分を許さない』『答えは見つかる』と"マーヴェリック"に言う。その言葉で"マーヴェリック"は飛び続けることを決意した。そしてミッションが可能であることを自ら証明するために、訓練中に無断でF-18に乗り込み単独でミッションフローを再現するのだった。その飛行技術はプライドの高い"ハングマン"が負けを認めるほど見事なものだった。"ルースター"は"マーヴェリック"の『考えるな 行動しろ』という言葉の意味をその目に焼き付けた。"マーヴェリック"が伝説のパイロットと呼ばれている所以を目の当たりにした"サイクロン"は自身のキャリアを賭け"マーヴェリック"をミッションの編成隊長にすることを決意する。
ミッション開始
精鋭パイロットたちの中からミッション実行部隊である編成隊4機が隊長の"マーヴェリック"の口から伝えられた。複座機の2ペアは"ペイバック・ファンボーイ"と"フェニックス・ボブ"、"マーヴェリック"の僚機には"ルースター"が選ばれた。"ハングマン"をはじめ他のパイロットたちは予備機として空母で待機することとなった。出撃準備が完了し遂にミッションが開始される。敵の領域に侵入した"マーヴェリック"と"フェニックス・ボブ"の2機は順調に目標に近づくが"ルースター"は腹を決め切れずにいた。そんな"ルースター"に"マーヴェリック"は『頑張れ 考えるな 行動しろ』と発破をかけると"ルースター"は覚悟を決める。そして先にウラン濃縮プラントにたどり着いた"マーヴェリック"と"フェニックス・ボブ"両機は見事にミサイル爆撃に成功し最大の難関である敵のSAMと対峙する。迷いのなくなった"ルースター"と"ペイバック・ファンボーイ"も続いて爆撃に成功しウラン濃縮プラントは完全に崩壊した。あとは 棺桶ポイントであるSAMの包囲網さえ抜ければ無事にミッション完了だが、掻い潜り切れなかった"ルースター"を庇う形で"マーヴェリック"の機体が被弾してしまう。3機は無事に包囲網を抜けたが"マーヴェリック"の応答はなかった。"ルースター"と、空母で予備機として待機していた"ハングマン"はすぐに救助に向かおうと司令部に要請するが、これ以上の犠牲を危惧した"サイクロン"は許可せずに帰投するように命じたのだった。
"エース"の帰還〜クライマックスへ
間一髪で脱出していた"マーヴェリック"は敵地の雪原で目が覚める。怪我はなく無事だったが、すぐに敵の武装ヘリが丸腰の"マーヴェリック"に襲いかかってきた。死を覚悟した"マーヴェリック"だったが帰投命令に従わなかった"ルースター"がすんでのところで武装ヘリを撃墜した。その後敵戦闘機に"ルースター"は撃墜されるもなんとか無事に"マーヴェリック"と合流するのであった。2人共命はあるが戦闘機を失ったため空母に戻れない。そんな中"マーヴェリック"はこのまま敵の本拠地に向かい、戦闘機を奪取する計画を画策するのだった。混乱している敵地にあるのは、ミッションに使用したF-18よりもさらに旧型の戦闘機である"F-14"だった。"マーヴェリック"と"グース"や"アイスマン"などのかつてのトップガンたちが乗っていた機体である。2人は敵の混乱に乗じてF-14の奪取に成功し空母を目指す。その頃空母の司令部は"ルースター"の追尾信号をキャッチしていた。警戒監視機からF-14が接近中との情報を得ると"サイクロン"はすぐにそれが"マーヴェリック"であることに気づく。
"マーヴェリック"と"ルースター"は周辺を捜索していた敵の第五世代機2機と遭遇してしまう。戦闘を避けるためなんとか味方のフリをするが敵機は戦闘体制に入ってしまう。第五世代機とF-14とでは機体の性能に大きく差があるため、"ルースター"を生かすために"マーヴェリック"は脱出をしろと言う。が"ルースター"は"マーヴェリック"のパイロットとしての腕を信じ、空中戦をするように促す。"マーヴェリック"は当然渋るが"ルースター"が『考えるな 行動しろ』と言葉をかける。その言葉を聞いた"マーヴェリック"はあっという間に敵機の後ろに回り込み不意打ちを喰らわせる。1機を撃墜し2機目と空中戦を繰り広げるが、第五世代機の性能に圧倒され苦戦を強いられる。機体は損傷しミサイルと機関砲は弾切れになるまで追い込まれるが、なんとか撃墜することに成功した2人は敵の領域外に出て、空母に帰還できると安堵する。しかし真正面から敵機が迫ってきていた。ミサイルも機関砲もなく、脱出しようとするが"ルースター"の脱出レバーが機能しない。今度こそ死を悟った"マーヴェリック"は『許せ "グース"』と言葉を漏らした。絶望の最中、敵機がミサイルを打った瞬間、何者かにミサイルごと撃墜された。『ご搭乗の皆さんにご挨拶を こちらは救いの神』という言葉と共に"ハングマン"が登場する。空母で予備機として待機していた"ハングマン"が"マーヴェリック"と"ルースター"を窮地から救ったのだった。"マーヴェリック"と"ルースター"は"敵のウラン濃縮プラントを爆撃し無事に帰投する"というミッションを完遂する。
"マーヴェリック"と"ルースター"という英雄の帰還に空母は大きく沸いていた。お祭り騒ぎの中"マーヴェリック"は改めて『君は命の恩人だ』と"ルースター"に告げる。"ルースター"は『父の代わりです』とだけ返し、2人は熱い抱擁を交わした。